こんにちは。設計の岡本です。
以前、平屋建の需要が増えているというお話をしましたが、住む方が高齢となり身体を自由に動かし辛くなった時のことを考えても
小さくワンフロアで住まうというスタイルは意味のある選択であると思います。
私の周りでも、歳を重ねて家の2階に上がることがめっきり減ったといった話はよく聞きます。
そういった場合物置状態になっていることがほとんどです。(実家もそうです)
一方で、バリアフリーの面では現在でも考えなければならないことがあると思います。
バリアフリー住宅の考え方は1996年に住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)が仕様の設定・融資を始めて、今では玄関以外はほぼ
段差のないのが当たり前になっています。
ただ相変わらず庭⇔玄関⇔ホールには20cm近い段差が存在していて、車椅子や歩行補助機が必要となった時を考えると75cm~78cmの
今の廊下幅はストレスなく通れるとは言い難いです。
考慮すべき内容としては
◎玄関ポーチへのスロープスペースの確保(勾配・幅注意)
◎玄関⇔ホールの段差解消(2cmぐらいまで)またはベンチ・手摺の設置
◎廊下幅・室内建具の開口幅を広くとる。
◎トイレ・浴室は広く、手摺設置または壁下地
◎動線はシンプルに 等々。
これから建てる家を終の棲家にと考えるとき大事なのは、健康な今を基準に考えるのではなく高齢になった時の自分の生活を
どれだけ具体的に想像できるか、ではないかと思うのです。
病気で倒れてリハビリ中の母の実家での暮らしを思い出しながらこんなことを考えています。